時は西暦20××年。平成にすれば3×年。
脅威は遂に現実のものとなった。
未知の戦闘民族”ソガノイルカーズ”は、突如として、人類に対する侵攻を開始した。
飛鳥時代以来熟成された超古代スーパーテクノロジーの前に、人類は為す術もなく蹂躙を許すままであった。
このまま、人類は、滅びの道を歩むのか…
全世界を絶望という名の暗雲が包む中
立ち上がった漢たちがいた!!
これはその、伝説の漢たちの物語である。
横須賀・長浦湾。
往時は海上自衛隊の基地として、海上防衛の中核をなす一大拠点であった。
しかし、今や…。
ソガノイルカーズの攻撃の前に、全ての戦闘艦船は撃沈破壊され、閑散とした佇まいを見せるのみである。
名将の誉高き沖田提督の下、士官候補生として過酷な訓練を終えた、
二人の若者が横須賀基地に配属された。
「今更ここに来たって、どうせ乗る船もないんだからなぁ…」
「マッタク、嫌なご時世だぜ…」
ぼやく二人の目に入ったのは、一隻の、古ぼけた潜水艦だった。
「何だ、あの旧式潜水艦は?」
「なんだ貴様、知らんのか。あれはSS587わかしお。随分前に除籍されて、あそこに係留されてるんだ。」
「世界に誇る我が海上自衛艦隊も、今や残すは解体処分待ちの潜水艦一隻のみか…。」
(中略)
司令本部に呼出された二人が、謎めいた女に出会う。
「お、おい、見ようによっては、何となく美人だな…」
「あ、あの、お名前は…」
「うふ。森野…雪子です。―超古代進君と、島田伊助君でしょ?」
「お、おい、俺たちの名前を知ってるぜ…」
「よく見たら微妙にスーブーだな」
「そんな…じっと見ないで…。あぁ、目で、目で…私を…。いいわ、存分に、存分に犯しなさい…」
「―犯してねぇよ。…ナナ隊員かコイツ」
(中略)
―わかしお配属となり、いきり立つ二人。
「こんな廃棄寸前の潜水艦で何ができると言うんですか!? 宙馬鹿(チューバッカ)艦長ッツ」
「ウホッホウホウホウホウホ(訳…旧式艦ではない。人類最後の希望たる、最新鋭の…
最終潜水艦型決戦防衛装備…ワカシオである!!
我々はこの艦で、ソガノイルカーズをあくまで専守防衛の名のもとに、けちらすのだぁぁぁ!!
ついてこい兵隊!!本物の戦争を見せてやる!!わかるか、生きてるって事が!?戦争こそ生きてる証しダ!!
はあはあ。)」
「大丈夫かこのエテ公」
(中略)
「え?き、君もこの艦に?」
「うふふ。よろしくね。超古代君と島田君…どちらがわたしの♥を射止めるのかしら…。
ああっ、違うのよ、湿ってるのは汗、汗よ…」
「うざ…」
(中略)
「イルカーズの超巨大ミサイル急速接近!!―大きい…大きいわ…こんなの初めて…」
「ウホッホホホ(訳:森野君、余計な事は言わんでよろしい。…専守防衛エンジン緊急始動!!)」
「よーそろー。エンジン始動!!―て、さっきから思ってたんだけど、何でエテ公語を解してんだ、俺」
「ウホッホタンケンタイ!!
(訳…宇宙潜水艦ワカシオ、発進!!)」
(中略)
―地球防衛軍司令部。
「わ、ワカシオは…?」
「超巨大ミサイル迎撃に失敗して、蒸発したのでは?」
打ちひしがれる人々…いやしかし!!
「レーダーに反応あり!!」
「おお」 「おお」 「おおてんじお!!」 「誰も知らねぇよ」
「ワカシオは健在ナリ!!」
「コロ助か」
モニターには、爆煙を振りほどいて上昇するワカシオの勇姿があった。
「沖田の子供たちが征く…はぁァァんE気持ち」
「ヒロユキか」
(中略)
―ソガノイルカーズ艦隊の猛攻を受けるワカシオ。
「も、もう小倉生まれの玄海育ちじゃない方の限界ですッツ!!」
「ウホッホウホウホ(訳…慌てるな。右のレバーを引きながら『チェンジ、ワカシオォー、セットオン』と叫べ。
音声認識がリンクする)」
「え、ええっ!! 戦闘中にそんな小っ恥ずかしいセリフを吐かなきゃいかんのですか!!??」
「ウッホホウッホキョジンカッタウホ(訳…いいから叫べ!!―江田島で受けた訓練が役に立つだろう)」
【回想シーン】(↓)江田島訓練学校での、人型ロボット操縦の猛訓練。
「ああ、こんな恥ずかしい事言うの、アナタの前だけよ」
「緊迫場面なんで、森野さんは黙ってて下さい。…し、しかし、あ、あんな夢物語みたいな訓練が…
ええいままよ!! こんにちは赤ちゃん私がママよ!!
『チェンジ、ワカシオォー、セットオン』
ああ、小っ恥ずかしい。てか、何でエテ公の命令聞いてんだ俺」
その時!! ワカシオの専守防衛力(せんしゅぼうえいちから)が発動した!!
びょーおおおん、ガチャぁんごおおおおん!!
轟音と共に、宇宙潜水艦ワカシオは分離変形合体し、
最終人型決戦防衛装備・宇宙大将軍ワカシオーにヘンゲした!!
雄々しく鳴り響く主題歌!! 歌うは水木アニイである!!
♪ザブーン ザブーン ザザザザ
ドブーン バヒーン ババババ
長浦湾からやって来た
正義の戦士 ワカシオー
平和な地球を乱す者
専守防衛で 対処する
胸に燃えてる ドルフィンマーク
王者の印 旭日旗
ワカシオ!(ヘッダー!)
ワカシオ!(トラングー!)
ワカシオ!(レッガー!)
潜・水・艦
合体 変形 防衛装備 ワカシオー
月も火星も周辺事態も 遥かに越えて
宇宙に飛び出すワカシオー、オー!!
ナレーション 『ワカシオーは兵器ではなく防衛装備である。
あくまで専守防衛を貫く、平和の使者なのである。
過去、国防に携わった多くの自衛官の専守防衛魂(せんしゅぼうえいたましい)が、某神社に澱重なり
集結・焼結・赤射蒸着した結果、専守防衛力(せんしゅぼうえいちから)と呼ばれる無限のエネルギー場
が生成された。
宇宙潜水艦ワカシオは、専守防衛力によって、わずか1ミリ秒で宇宙大将軍ワカシオーに分離変形合体
するのである。ではそのプロセスをもう一度見てみよう。トランスフォーマーよりは無理がない筈だ(中略)』
「オオッツ!! 戦闘ロボに変形したッツ!! こ、これなら、これなら勝てるような気がしないでもないッツ!!」
「ウッホホーイ(訳:これこれ、超古代君。戦闘ロボと言ってはいかん。専守防衛ロボと呼びなさい)」
(中略)
たいていの攻撃は防ぐスーパーチタン盾で身を守りながら、たいていのものにダメージを加えられる
フォトン魚雷や、たいていのものに穴を開けられる超合金スペース・ドリル、その先っぽから出る
強力ビームもたいていのものを破壊できるので、そんな 防衛装備を駆使して事態に対処する
宇宙大将軍ワカシオー!!
イルカーズの雑魚メカ共は、ちゅどーん、ちゅどーんと爆発して果てる。
しかもこの戦闘行為は、先制攻撃を受けた後なので、自衛隊法はもとより憲法にも違反していないのだ!!
朝○新聞も○旗も、これなら文句は無いハズだ!! 安心して戦え、ワカシオー!!
ちなみに、”大将軍ワカシオー”という名はあくまで内部的通称であり、正式には”幕僚長たる将官ワカシオー”
であるので決して好戦的ではない!! 近隣諸国にもきちんと気を使っているのである!!
(中略)
いよいよ、ソガノイルカーズの親玉メカ、いわゆるボスキャラに迫ったワカシオー。
ソガノイルカーズの誇る最強の宇宙空母「丁寧(tei-nei)」である!!
え?どっかの国の空母に字面が似てるって?? そんなのは気のせいである。
(↓)宇宙空母「丁寧」。強そう。
「超合金スペース、ド・リール!!」
「ああ、なんて硬いの!? 私だけのものよ…」
「♪だ・か・ら・その手を・はなして…じゃなくて、だから森野さん、黙っててくれますかッツ!!
―Oh!!モーレツ!! 超合金スペースドリール他の防衛装備が効かないッツ!! どどどどうすればッツ」
「超古代!! そんなにそわそわするな!! おまえはいつでもキョロキョロだ!! よそ見をするのはやめろ!!」
「うるせい、島田!! てめえ戦闘操縦過程に落ちて航海科に行ったくせに偉そうに言うんじゃねぇ!!」
「何だと!!貴様今までそんな目で俺を!! しししし親友だと思っていたのに〜」
「やめて二人共!! 私の為にケンカしないで!!」
「い、いや、誰も森野さんの為には…。―何か嬉しそうだなこの女。.」
(中略)
「ウーホホホイホイホホイノホイ(訳:決戦兵器!!ブレスト・レーザー発射用意!!)」
「ブレスト・レーザー、エネルギー充填120%」
「ああ、私の中、あなたで一杯よ!!」 「森野さん、黙ってて下さい!!」 「わかってるわ、私は影の女…
あなたの奥様には…」 「そういう黙り方じゃねぇってばよ!!」 「ナルトか」
「ホイホイホイーダラッタホラホラホイホイホイ(訳:何をグチャグチャ言うとる!! 今だ!! 人類の希望を込めて!!
てぇぇぇぇぇッツ!!)」
「そんなホイホイ言われれも、イマイチ説得力はないが…兎も角、発射ぁぁぁ!!」
「中はダメ、中はダメ、外ならどこでもいいから」 「森野さんは黙ってて下さいって言ってんでしょ!!」
引き金を絞る超古代。
まばゆい光の渦が、ワカシオーの胸部からほどばしる。
ぶばぼごばきゅぅぅぅぅぅ・・・・・・・・・・んん
「おならじゃないのよ、おならじゃないのよ、空気が入っただけ クネクネ」
「うるせえ、黙ってろっつてんだろこのクソアマがぁぁ!!」
(中略)
―と言う訳で、ソガノイルカーズは滅びた。
何とかかんとか、人類は生き延びたのである。
戦後、宙馬鹿(チューバッカ)浣腸…もとい艦長はこう呟いた。
「ウホウホマエケンニスガノデカッタウホホ…(訳:地球か…何もかも皆懐かしい…って俺、キャッシーク
出身だから、地球にそんなに愛着はないんだけどさ…)」
しかし、つかの間の安眠を貪る人類の背後には、真の敵…ソガノエミシーズの影が迫っている
事に、誰も気づいてはいなかった…。
(たぶん続かない)
【特別付録:ワカシオ設定資料集】